もてぎの森
慶愛 慶愛 慶愛 慶愛 慶愛 慶愛 慶愛

更年期障害について

更年期障害ではどんな症状がおきるの?
 
更年期障害では頭痛、目の疲れ、肩こり、動悸、手足の冷え、便秘、めまい、ほてり、首から上の発汗、のぼせ、のどのつまる感じ、息苦しさ、胃もたれ、下痢、頻尿などなど、いろいろと自律神経失調症ともいえる不快な症状が出てきて、居ても立ってもいられない、なんともつらい状態になります。

何歳位から注意した方がいいの?
 更年期とは狭い意味では、40歳代の終わりから50歳代にかけて女性の中年期の重大な変化である閉経によって起こる心身の変化の過程に起こる一定の期間とされます。
 更年期障害はこうした期間における心身の不適応状態ともいえますが、私の臨床経験では30歳代初めから同様の悩みを訴えてくる方がおり、遅くは70歳台までも症状が続く方もいます。

どうして起こるの?
 
こうしたことから更年期障害は性ホルモンに代表される内分泌系の不均衡による身体内部のフラストレーション、もしくは不全感の状態ともいえます。つまり、閉経に直接的には関係しなくても発生することがあるようです。
 このフラストレーションは、愛情的な情緒の低下、自分の身体に対する感覚的満足の低下、快感の低下として経験されます。多くの場合、本人はこうした状態をそれ以前に比べて、いら立ちとか怒りが起こりやすくなるという形で経験します。この心理的状態からさらに病的な抑うつ状態が生じることもあります。またこの不安定な生理的・心理的状態を契機に、人格の統合性が低下し、いままで抑圧されてきた心の内部の葛藤や、精神病的な反応が出てくることがあります。

 たとえば、中年期に夫との間の性的な絆が弱まり、他方では、子どもたちが進学や就職などで親離れすることによる、いわゆる空の巣(からのす)症候群をあらわす場合があります。この空の巣症候群を通して、女性が自己中心的な心理に退行してうつ状態、アルコール依存症などの精神病理をあらわしたり、さまざまな虚栄的、物質的な欲望に走る場合もあります。

更年期を迎える事によりこんな発達課題を達成するようになります。
 
こうした自己自身も、家族その他の周囲の人間をも巻き込んだ社会不適応状態への対応には、心身医学の介入が必要になるでしょう。しかしこうした病的過程を取る場合は一般的でなく、むしろ大多数の女性たちは更年期を通して次のような望ましい心理的な発達課題を達成するようになります。

第一に、自己中心的な欲望が減少し、それにかわる、より成熟した精神的な愛情を持つようになります。とくに母性としての愛情体験の深まりを、さまざまな社会場面や地域、隣人に対して広く向けることにより社会的人間的な成長を遂げます。

第二に、それまでの情緒不安定、羨望や嫉妬心、憎しみと愛の葛藤などを克服しやすくなり、その愛情のあり方がもっと普遍的になります。とりわけ孫が生まれた場合には、寛容で慈愛に満ちた愛情の成熟が起こります。つまり、自分自身が母親になって子どもに対する場合に比べて、もっと自由で本当の意味で親らしいものになる場合があります。

第三に、それまで社会的な職業や立場を持っていた女性は、これまで以上に安定した社会的な能力を発揮しやすい心身の条件が与えられます。